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直近の新聞報道を見ると、福田内閣の支持率はついに20%を割り、18〜19%台に下落した。これは政権にとって「危険水域」を突破した末期症状である。福田内閣には最早、衆院解散・総選挙をやる力はなく、むしろ「福田退陣・内閣総辞職」の方向に進む可能性が高い。
日本人は最近特に政治をよく見ていて、政策に敏感な反応を示し、世論調査ではかなり的確な評価を下す。一部には「テレビ・週刊誌の“劇場型政治報道”に踊らされて国民の政治判断力は鈍っている」とする意見があるが、そうは思わない。福田自民党は小沢民主党内の混迷に油断して、自らの政治改革を怠っている。それを国民が敏感に見抜き、内閣に厳しい評価を下したものと思う。
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求心力欠く福田政権 |
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福田内閣は「求心力」が急速に落ちてきている。上り坂の政権には政治的求心力が働き、仕事する体制が出来る。落ち目の政権ではどんな浮揚策を取ろうと焦っても効果は出ない。福田内閣は今、そういう政権の危機に際会している。
暫く政界の表舞台から引っ込んでいた小泉元首相が蠢動し始めたのも、「政変近し」を読み取ったからだろう。「増税論者」の与謝野元政調会長が跳梁し始めたのもそれだ。
安倍前政権が短期で倒れたのは当然の理由があった。年金記録の紛失、守屋防衛次官のみっともない汚職、閣僚の相次ぐ放言・失言、政治資金処理の誤魔化し。加えて安倍首相の経験未熟と体調不良が重なって、ただでさえ「不利」といわれていた参院選で大敗した。これだけの不祥事が続いてもなおかつ参院選で自民党を支持する世論が多い訳がない。自民敗北は当然だった。世論はまさに的確な判断を下したのである。自民党の自滅であり、民主党が自分の力で勝利したものではない。小沢民主党はそれを勘違いしてはいけない。
福田内閣になってからはこのような不祥事はほとんど起きていない。それにもかかわらず政権がジリ貧になって行くのはなぜか。福田首相に“改革の先頭に立つ精神”がないからだ。小泉内閣は「自民党をぶっ壊す」との名言(迷言?)を吐いて国民の圧倒的な支持を得た。安倍内閣も「公務員改革、天下り禁止、行革推進で予算のムダ遣いを省く」との勇ましい戦闘開始宣言をして、「先ず増税ありき」とする自民党族議員勢力を退けた。しかし老練な小泉首相は大蔵省(現財務省)との正面衝突は巧みに避け、官僚を全面的に敵に回す愚は冒さなかった。
政治的に未熟だった安倍首相は「小泉路線を継承し、改革の灯を点し続ければ国民の支持は得られる」と判断し、官僚、特に財務官僚と激突して墓穴を掘った。
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官僚の支持を得て国民の支持失う |
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官僚という組織がいかに手強い保守派で、最大の「抵抗勢力」であり、政権を生かすも殺すも官僚の使い方次第であるか。福田氏は側から見ていて痛感したに違いない。そこで前2代の「改革路線」を放棄し、官僚との協調姿勢を取った。その結果、官僚による政治資金など政界情報リークはぴたりと止んだ。しかし改革の旗を降ろした政権に国民は何の魅力も感じない。官僚の協力は得ているかもしれないが、福田首相は一番大切な「世論の支持」を失ったのである。
ガソリン税の上乗せ法案は衆院再議決で成立させた。暫定税率なのに40年間も続くなら「暫定」ではない。道路特定財源を向こう10年間支出し、整備財源に充て続けようとする自民党族議員の姿勢もおかしい。予算が付けば公共事業費のムダ遣いは続く。財政悪化は深刻さを増し、その結果、官僚が望む「増税路線」が待ち構えている。
福田首相は09年度から道路特定財源を一般財源化するとの方針を打ち出した、この点は評価する。問題は「ガソリン税を暫定にしたまま再値上げして、そこから得た税収は道路整備費以外にも支出する」と言う政策矛盾が生じることだ。族議員と官僚の顔色を見ながらの「及び腰政策決定」では政権浮揚策には繋がらないだろう。
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